第5章

小さなダイニングテーブルの上に、銀行の利用明細書をすべて広げた。しまい込んでいた領収書の束の隣には、クレジットカードの請求書が散らばっている。向かいに座った由香里は、ラップトップで表計算ソフトを開いていた。

「よし」彼女は素早くキーを打ちながら言った。「見つけたものを全部整理しよう」

「医療関連の費用」私はリストを読み上げた。

「青葉記念病院 - 三百四十万円

井上美容外科クリニック 手術 - 五百万円

青葉美容外科センター - 二百六十五万円

個人看護 - 百七十万円」

「医療費だけで千二百七十五万円ね」由香里は計算した。「でも、こっちの請求を見て」

彼女...

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